世界一の機関投資家GPIFの運用手法は誰でも真似できる

お金

社会活性化トレーダー、ぴんころ研究所のかずきです。

 

2023年4~6月期の運用成績が18.9兆円の黒字。

これは、世界最大の年金ファンドであるGPIFの収益です。

2001年以降の22年間で120兆円もの収益を叩き出している世界に冠たる機関投資家です。

継続して利益を出し続ける秘訣は何なのか?

実は、このGPIFのポートフォリオ(資産構成)などはすべて情報公開されています。

ホームページを見れば誰でも、現在の保有資産の状況、過去の運用成績等を見ることができます。

個人の方は、これを利用しない手はありません。

無料で公開されているGPIFの手法を学んで実践すれば、老後の資金不足に怯えることはなくなりますよ。

GPIFとは

日本の年金制度は、現役世代が納付した年金保険料を年金受給世代にわたす世代間扶養で成り立っています。

しかし、少子高齢化で年金制度を支える現役世代が減っているのは周知の事実です。

そのため、これでもかというほど年金不安を煽るニュースやSNSの投稿が溢れています。

これらの不安を払拭する、将来の年金財政を支える組織がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。

納付された年金保険料のうち、支給にまわされなかったお金(年金積立金)を運用しています。

目的は、年金保険料を納める現役世代が減っても、現在の年金制度を維持できるようにその財源を確保することです。

現在の年金財政は、現役世代が納める年金保険料+国庫負担金(税金)ですが、将来的には、現役世代が納める年金保険料+国庫負担金(税金)+年金積立金となります。

データが示すGPIFの凄さ

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HPより

市場運用が始まった2001年以降、年間平均3.97%の利回りで運用されており、22年間で上げた収益はなんと127兆円になります。

そうした運用が積み重なって、2023年現在、GPIFの運用資産総額は約219兆円にもなっています。

世界的なインフレによる金利上昇、ロシアによるウクライナ侵攻など、1年を通して株式・債券が低調だった2022年度でも2.9兆円(+1.5%)の運用実績です。

ニュースで取り上げられることはありませんが、これは凄いことです。

通常、運用資金が多くなるほど、運用は難しくなるものです。

なぜなら、規模が大きいファンド自身の売買によって、価格が動いてしまうからです。

それにもかかわらず、200兆円を超える資産を保有しながらこのパフォーマンスを維持するのは、驚異的です。

GPIFの運用成績が良い3つの理由

なぜ、GPIFの運用はこれほどまで堅実などでしょうか。

それには3つの理由があると思います。

分散投資の徹底

主に国内外の株式や債券に分散投資しています。

各株式・債権の割合は時代に合わせて変化していて、現在はそれぞれ25%(±6~8%)です。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HPより

国内外の株式や債券で、利益を上げた順にランキングを作ると、毎年のようにコロコロ順位が入れ替わります。

だからこそ、動きの異なる資産を複数組み込むことで、リスクを抑えながらリターンを上げることができるのです。

 

参考までに、2022年度の各資産の動きは以下のとおりです。

  • 国内株式  -2兆円
  • 外国株式  -1.9兆円
  • 国内債券     +3兆円
  • 外国債券     +1.5兆円

1年の4分の3は全ての資産がマイナスでしたが、最後の3ヶ月で債券がプラスに転じたようです。

長期的な運用

マイナスを出さないことに越したことはありませんが、現実的には不可能です。

そういったことから、分散投資とともに大事なのが、長期で運用することです。

 

長期で運用することが大事なのは、以下の例でわかると思います。

2001年以降の22年間の成績(リターンが+で勝ち、-で負け)

  • 1年毎の成績  15勝7敗
  • 3年毎の成績  17勝3敗
  • 7年毎の成績  16勝無敗

1年毎に見ると、プラスになった年もあれば、マイナスになった年もあるといったところですが、3年・7年と期間を広げると収益が安定します。

3年間という期間で区切ると、マイナスの年は3回だけになり、7年間ではマイナスの年はなくなりました。

いくら国内外の株式・債券に分散しているといっても、リーマンショックなどの暴落時には全ての資産が下がります。

しかし、世界の経済規模は拡大している以上、長期で見ればプラスになるはずです。

 

ちなみに、S&P500など株式投資信託のみの積立投資では、7年間という期間ではマイナスになることもしばしばあります。

これは、株式投資信託だけの時間分散しかしていない積立投資と、時間分散に加えて銘柄分散を行っている投資との差です。

優秀な運用チームと定期的な検証

GPIFのホームページ上で公開されていますが、運用する人たちの名前を見ると、錚々たるメンバーが名を連ねています。

それもそのはずで、200兆円を超える資産を運用するということは、わずかコンマ数%動いただけで、莫大な損益が発生する世界です。

その道の専門家たちが、緻密な計画に基づいて運用をしています。

運用チームが行うのはそれだけではありません。

さらに、運用の結果を四半期ごとに報告しています。

結果を公開することが、常に緊張感を持って運用することにつながります。

運用して、生じた結果について分析・報告する過程で改善点も見えてくることと思います。

 

自戒を込めて言いますが、個人で運用していると、ここのところを見落としがちです。

運用しっぱなしで、結果について反省・改善しなければ、スキルは上がらないですよね。

まとめ

世界最大の機関投資家、年金ファンドであるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。

これまで年間平均3.97%、120兆円もの利益をあげています。

その投資哲学や、運用手法から私達が学ぶことは非常に多いです。

誰でも真似できるGPIFの手法を学んで、長期で運用すれば、着実に資産を築くことができますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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