個人事業主の年金対策は小規模企業共済ではなくiDeCoがおすすめ

お金

社会活性化トレーダー、ぴんころ研究所のかずきです。

 

会社を退職して、個人事業主やフリーランスになって直面する問題は様々あります。

なかでも、将来もらうことのできる年金が減ってしまうことは大きな問題。

厚生年金から国民年金になることで、生涯もらえる年金額は大きく減ってしまいます。

また、会社に勤めていればもらえる退職金も一切入ってきません。

だから、老後資金は自分で用意する必要があります。

 

個人事業主が老後資金を作る手段としてはおもに2つの方法があります。

それが、小規模企業共済と個人型確定拠出年金のiDeCo。

どちらも掛け金の全額が所得控除になるなど、老後資金準備という面で見れば、似たような制度です。

では、小規模企業共済とiDeCoのどちらが良いのか?

 

結論から言えば、iDeCoの圧勝です。

小規模企業共済とiDeCoの比較

加入の目的が、自分や家族の老後資金準備ということであれば、間違いなくiDeCoです。

どちらも高い節税効果を得ながら、退職金や年金といったまとまっと資金を作るためのものです。

退職金や年金として受け取るときに、掛け金以上の金額を受け取ることができることが魅力です。

資産を作る目的で加入した場合の両者の違いをシミュレーションをしてみました。

 

  • 条件1 40歳から60歳までの20年間
  • 条件2 年収400万円
  • 条件3 毎月の積立額3万円
  • 条件4 60歳時に一括受け取り
    • 小規模企業共済では65歳から老齢給付として受け取るができますが、比較の便宜上60歳で計算しています
  • 条件5 平均運用利回り5%(1957年からのS&P500の年平均利回り10.7%の半分に設定)

※事業を廃業したときに受け取る共済金Aに比べて金額が多少下がります。

掛金合計一括受取額運用益(20年)節税額(20年)運用益+節税額(20年)実質返戻率 小規模企業共済7,200,0007,976,400776,4002,190,0002,966,400159% iDeCo7,200,00012,173,9304,973,9302,190,0007,163,930242%

※実質返戻率=一括受取額÷(掛金合計-節税額)

参考:小規模企業共済シミュレーション,SBI証券iDeCo節税シミュレーション

両者の比較から顕著なのは、運用益の違い。

20年間でなんと約420万円の差がつきます。

所得控除での節税額は同じですが、運用益に相当な差が出るので、運用益にかかる非課税額が違ってきます。

その結果、掛金全額に対する実質返戻率をみると、その差は歴然です。

  • 小規模企業共済は159%
  • iDeCoは242%

20年で83%もの差がつくので、単純に退職金や年金として考えるのであればもはや比較にならない数字です。

しかも、iDeCoで算出した平均利回りは、過去の実績からすれば多少低めになっています。

 

あくまでも、上記の条件であればの話ですし、運用の結果については絶対はありませんが、20年という長期で考えるのであれば、それほどのブレはないと思われます。

小規模企業共済とiDeCoの違い

一方は小規模企業共済という共済制度であり、もう一方は個人型確定拠出年金という年金制度です。

そもそも、加入する目的が違います。

  • 廃業や退職時の生活資金のために加入するのが、小規模企業共済。
  • 老齢年金の不足を補うために加入するのが、個人型確定拠出年金のiDeCo。

小規模企業共済には、掛金の範囲内での融資制度がありますがiDeCoにはありません。

そういった細かい違いはありますが、将来(主に老後)のために積み立てるという本質の部分においては一緒です。

もしも、将来のための積み立てという意識で小規模企業共済に加入しているのなら、本来の目的に沿って考えるべきなのではないでしょうか。

まとめ

以上、小規模企業共済とiDeCoとの比較をしてみました。

資産形成のために加入するのであれば、現状ではiDeCoに勝るものはありません。

ただし、それは目的が将来の資産形成のためだからです。

万が一のときに、融資を受けることも考慮しておきたいというのであれば、小規模企業共済を選ぶのが正解です。

加入する目的によって、正解は変わってきますので、どちらが優れているということもありません。

目的によって使い分けましょう。

小規模企業共済とiDeCoは併用もできるので、迷ったときは併用するのもありかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました