【本の紹介】『あなたの人生、片付けます』(垣谷美雨)

日記

こんにちは。

ぴんころ研究所のかずきです。

 

みなさんは「片づけ」得意ですか?

私は苦手です。

片付けられないというわけではありませんが、

どうしても後回しにしてしまう癖があります。

 

『あなたの人生、片付けます』

この本は片付けのハウツー本ではありません。

部屋を片付けられない、

モノを捨てることができない、

そういった人が主人公の小説です。

 

なんでそんな状況になったか、

どういう心理が働いているのか、

そんなことがわかるようになるので、

この本を読むと、

片付けのハードルが下がりますよ。

あらすじ(ネタバレ含む)

主人公は、「片付け屋」の大庭十萬里。

彼女が関心があるのは、

片付ける技術ではなく、

「家がごみ溜めのようであっても平気でいられる心理状態」

この本では、そういった問題を抱えた

4人のケースが描かれています。

ケース1

独身OL春花は汚部屋の住人。

依頼者は春花の母親。

 

結婚を前提にお付き合いしている人がいるが、

相手は妻子がいる社内の男性。

本人も関係が終わっていることに

薄々気づいているのに、

自ら問いただすことができずに、

ただ時間だけが過ぎていく。

「自分で言いたいことを言えない」という

ストレスがモノを捨てることのできない

原因と見抜いた十萬里は、

そこに気づかせるように仕向ける。

ケース2

妻に先立たれて、気力を失いかけている国友展蔵。

依頼者は展蔵の娘の風味子。

 

妻が亡くなったあとは、

心配した風味子が身の回りのことをやってくれていた。

だが自分で身の回りのことを一切にしない父に、

ある日風味子の感情が爆発する。

実は風味子は仕事や家庭の問題で手一杯だったのだ。

自分がお荷物になっていることにショックを受けた展蔵は

少しずつで自分のことは自分でやるようになっていく。

ケース3

一人暮らしの資産家、三枝泳子。

依頼者は娘の睦美。

 

泳子が住んでいる家は、

物がきちんと整頓されて片付いている。

ただでさえ広い母屋だけでなく、

離れまでも物がびっしり。

問題は片付けられないのではなく、

物が捨てられないこと。

娘の睦美からは電話のたびに、

モノを捨てるように言われるのだが、

いつか使うかもしれない、

高価なものだった、

思い入れが手放せない

などの理由で物が溜まっていくばかり。

 

十萬里の指導で訪れた、

長男や孫との会話の中で、

自分がいかに不要なものを溜め込んでいるのか、

このことに気づいていく。

ケース4

家事を放棄した主婦、池田麻実子。

依頼人は姑。

 

すべてになげやりで、

自分の娘2人にも関心を示さない。

当然掃除もしてないから、

家の中は雑然としていて、

もはや家庭崩壊の一歩手前。

でもなぜか一つの部屋だけは

綺麗に片付いているという。

 

心を閉ざして無気力な麻実子。

その原因を家族の協力を得ながら、

見つけ出し解きほぐしていく。

感想

本当は自分でもやりたいんだけど、

いざ向き合ってみると、

気後れしてできない。

そんなことはいっぱいあります。

片付けもその一つです。

 

片付けられないのは、

片付けの方法を知らないからではなく、

自分の心が、

その状態を作り出しています。

なぜその状態になったのか、

そこを掘り下げていくことで、

自ら進んで片付けることができるように

なっていくのだと思います。

 

読んだあとに、

心をスッキリさせようと、

身の回りを綺麗にしたくなる

素敵な一冊です。

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